2026.01.14
作業療法士と心理士の違いとは?仕事内容と学びの違いを解説

作業療法士と心理士。この2つの職業は、どちらも人を支える専門職として知られています。
「どんな違いがあるのか?」
「どちらを目指すべきか?」
進学先を検討している高校生や保護者の方、心理系やリハビリ分野に関心がある方に向けて、この記事では仕事内容?学びの違い?資格取得の流れをわかりやすく解説します。
それぞれの役割や目指し方を比較することで、自分に合った進路を見つけるヒントになれば幸いです。
1. 作業療法士と心理士の違いとは?

作業療法士と心理士は、どちらも人を支える専門職ですが、その支援の対象や方法、目的には明確な違いがあります。
作業療法士(Occupational Therapist:OT)は、病気やけが、障がいなどにより、日常生活に困難を抱える人を対象とし、今の生活をより過ごしやすくするためのリハビリテーションを行います。
焦点は、本人が「したい」「しなければならない」活動、たとえば、食事、着替え、仕事、学習、遊びといった日常生活の作業(Occupation)です。対象者が再び自分らしい生活を送れるよう、心身機能の回復だけでなく、社会参加や自立支援を目的としたサポートを行います。
一方、心理士(公認心理師?臨床心理士)は、心の問題に寄り添い、心理的なケアや支援を専門とする職業。ストレス、不安、発達の悩み、人間関係の葛藤など、多様な心理的課題に対応し、カウンセリングや心理検査、心理療法などを通じて、心の回復と成長を支えます。
つまり、作業療法士は「生活に必要な活動を支援する職業」、心理士は「心の問題に向き合う専門家」です。どちらも大切な役割を持っていますが、そのアプローチと専門性は大きく異なります。
2. それぞれの仕事内容と関わる対象
2-1. 作業療法士の仕事内容と支援対象

作業療法士は、対象者の「できること」を引き出すために、具体的な日常動作の訓練や環境調整を行います。着替え、食事、入浴、排泄といったセルフケアの回復訓練や、社会復帰を見据えた就労支援?家事動作の練習などが含まれます。患者一人ひとりの目標や生活背景に合わせたリハビリプログラムを計画?実施することが求められます。
支援対象は、身体的?精神的な障がいを持つ子どもから高齢者まで幅広く、医療機関?福祉施設?学校?在宅医療など、活躍の場も多岐にわたります。
また、近年では発達障害のある子どもへの支援や、認知症予防の分野でも注目が高まっています。
作業療法士の役割は、単に身体機能の改善にとどまらず、「その人らしい生活の再構築」を支える包括的な支援者といえるでしょう。
2-2. 心理士の仕事内容と支援対象

心理士は、言葉を通じたカウンセリング(心理療法?精神療法)や心理検査(知能検査、性格検査など)を行い、心の状態を客観的に把握したうえで、心理的課題の原因を探り、改善を支援します。
目的は、精神的な健康の回復や感情の調整、自己理解の促進など、心の健やかな成長を支えることにあります。
支援対象は、子どもから高齢者までと幅広く、不登校、発達の課題、職場のストレス、トラウマ、うつなど、抱える問題も多様です。学校?医療機関?福祉施設?企業?自治体など、活躍の場もさまざまです。
支援の方法は、対話を通じた心の整理や、行動の変容を促す心理療法、または家族や学校?職場との連携による支援体制の構築など、多岐にわたります。
悩みに応じて、事前に計画を立てて進める方法(例:認知行動療法など)を使い、気持ちの整理を助けたり、行動の改善をめざしたりします。必要に応じて、家族や学校、医療スタッフと協力しながら、チームで支援にあたることもあります。
心理士は、ただ話を聞くだけでなく、科学的根拠に基づいた方法で心の健康を守る専門家です。
3. 資格の違いと取得方法
3-1. 作業療法士の資格と必要な進路
作業療法士になるには、厚生労働省が定める国家試験に合格し、免許を取得する必要があります。そのためには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する養成施設(大学?短期大学?専門学校など)で、3年以上の専門教育を受けることが求められます。
大学では、解剖学?生理学などの医学的基礎から、リハビリテーションに関する知識と実技、さらには対象者との関わり方まで幅広く学びます。卒業、または卒業見込みとなることで国家試験の受験資格が得られ、合格すれば作業療法士として働けるようになります。
また、作業療法士の養成課程は、実習に多くの時間が割かれており、現場での経験を重ねながら実践力を養うカリキュラムが特徴です。
3-2. 心理士(臨床心理士?公認心理師)の資格ルート
心理士には複数の資格がありますが、代表的なのは「臨床心理士」と「公認心理師」です。
臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。指定された大学院(臨床心理学系)を修了し、資格審査に合格すると資格が得られます。
一方、公認心理師は、2017年に創設された国家資格です。取得には、大学で必要な科目を修めた上で、指定の大学院に進学、または実務経験を積み、国家試験に合格することが求められます。
現在、心理職として働く上では、国家資格である公認心理師を取得することが強く推奨されていますが、臨床心理士も歴史と実績から高い評価を受けており、両方の資格を併せ持つ専門家も少なくありません。
心理士を目指すには、学部から大学院まで一貫した進路設計が必要であり、時間と努力を要します。その分、専門性の高い支援ができる職種として社会的な信頼も厚い資格です。
4. 働く場所?年収?将来性を比較

4-1. 働く場所の違い
作業療法士と心理士は、いずれも医療?福祉?教育の現場で人を支える仕事ですが、働く場所には明確な違いがあります。
作業療法士の主な勤務先は、病院(回復期リハビリテーション病棟など)、介護老人保健施設、障がい者支援施設、訪問リハビリテーション、特別支援学校など、病棟や居宅でのリハビリテーションが主な活動の場となります。
医師や理学療法士、看護師と連携して「生活機能の回復」を目指す医療チームの一員として活動するケースが多くあります。
心理士(公認心理師?臨床心理士)の勤務先は非常に多岐にわたります。
医療機関に加え、学校(スクールカウンセラー)、福祉施設、児童相談所、企業のメンタルヘルス部門、自治体の相談機関など、"こころの問題に関わる場"で幅広く活躍しています。特に教育分野や企業でのニーズが伸びており、相談室やカウンセリングルームで働く心理士も多く見られます。個別の相談業務に加えて、家族や教職員、医療スタッフと連携することも重要な役割です。
このように、作業療法士は主に「生活の支援」が必要な場で働き、心理士は「こころの支援」が求められる場で活躍しているという違いがあります。
4-2. 年収の目安

作業療法士と心理士の年収は、勤務先や雇用形態、経験年数などによって幅があります。
作業療法士の平均年収は、厚生労働省の調査などによると400?450万円程度(医療?福祉系職種の平均水準)とされています。
病院や介護施設などでは、常勤職員として安定した雇用形態で働くケースが多く、賞与や各種手当も含まれるため、収入は比較的安定しています。ただし、訪問リハビリなど一部の分野では業務委託や非常勤勤務もあり、その場合は報酬制となることもあります。
一方、心理士(公認心理師?臨床心理士)は、資格の種類や勤務先によって年収に大きな差が出やすい職種です。平均的には300?500万円程度とされていますが、学校や福祉施設などでは非常勤勤務の割合が高く、時給や日給ベースでの働き方も一般的です。そのため、収入が不安定になりやすく、複数の現場を掛け持ちして働く心理士も少なくありません。
とはいえ、公務員としてbob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播されたり、大規模病院などで正規職員として勤務する場合は、比較的高い収入水準になる傾向があります。
このように、作業療法士は常勤中心、心理士は非常勤や契約職が多い傾向にあり、年収の安定性にも違いが見られます。将来的な働き方を想像しながら、自分に合った職種を考えることが大切です。
4-3. 将来性と今後のニーズ
作業療法士と心理士は、いずれも高齢化や心の健康への関心の高まりを背景に社会的なニーズが高まっている専門職です。
作業療法士は、特に高齢者支援の分野で需要が増しており、介護予防や生活支援の専門家として、高齢者施設や在宅医療の分野での活躍が期待されています。その中でも、在宅や地域での生活支援(訪問リハビリなど)のニーズは今後ますます高まると考えられます。
また、「作業」を通じて社会参加や生活の質を追求する作業療法は、単なる身体機能の回復を目的とするリハビリを超えて、その人らしい生活の再構築を支援するアプローチとして、重要性が増しています。近年は発達障がいのある子どもへの支援や、メンタルヘルス分野での専門的な取り組みも進んでおり、支援の場は今後さらに広がっていくと考えられます。
心理士(公認心理師?臨床心理士)もまた、社会の変化とともに重要性が増している職業です。公認心理師が国家資格として法制度に位置づけられたことで、医療?教育?福祉?産業などさまざまな分野でのbob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播が進んでいます。
学校でのいじめや不登校対応、職場のメンタルヘルス支援、虐待やトラウマのケアなど、心理的な支援を必要とする現場が増加していることから、専門的な知識と技術を持つ心理士の重要性は今後ますます高まるといえるでしょう。
このように、どちらの職業も、人の「こころ」と「くらし」を支える存在として、今後も社会に求められ続ける重要な役割を担っています。
4-4. 作業療法士と心理士の比較まとめ表
| 項目 | 作業療法士 | 心理士(公認心理師?臨床心理士) |
|---|---|---|
| 主な勤務先 | 病院、リハビリ施設、介護施設、訪問リハビリ、特別支援学校など | 医療機関、学校、福祉施設、企業、自治体、相談機関など |
| 雇用形態の傾向 | 常勤が中心、賞与?手当あり、安定性が高い | 非常勤?契約職が多め、複数施設を掛け持つことも |
| 平均年収の目安 | 約400万?450万円 | 約300万?500万円(勤務先や資格により幅がある) |
| 将来性?ニーズ | 高齢化社会で需要増、訪問?地域リハでの支援に注目 | 公認心理師制度によりbob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播拡大、教育?福祉?産業での必要性が高まる |
5. bob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播の作業療法士養成の特徴
作業療法士を目指すうえで、どのような環境で学ぶかはとても重要です。bob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播のリハビリテーション学部 作業療法学専攻では、確かな専門知識と豊富な実習経験を通じて、実践力ある作業療法士の育成を目指し、授業と実習がバランスよく組まれています。
特に特徴的なのは、1年次からの医療現場見学や体験実習に加え、3年次から本格的な臨床実習が行われる点です。授業や実習でつまずいたときも、教員に相談しやすい雰囲気があり、少しずつ理解を深めながら専門性を伸ばしていけます。
また、国家試験に向けた準備も、対策授業や個別フォロー、模擬試験などを組み合わせて進められるため、自分のペースで弱点を補いやすい環境です。国家試験合格率も全国平均を上回る水準を維持しており、高い実績を誇ります。
少人数だからこそ、授業や実習での質問がしやすく、就職活動についても面談や練習など具体的なサポートを受けながら進められます。
bob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播では、生活を支える専門職として必要な考え方や技術を、日々の授業や実習を通して無理なく身につけられるよう工夫されています。
※参考URL: bob体育平台下载_欧冠足球官网-投注|直播 作業療法学専攻 -- 公式サイト
6. 作業療法士と心理士、どちらが向いている?

作業療法士と心理士は、どちらも「人を支える」専門職ですが、支援のアプローチや関わり方が異なるため、自分の興味?性格?将来のビジョンに合った進路選びが大切です。
- 医療やリハビリに関心があり、の回復や生活支援を通じて人を支えたい
- 実習や現場経験を重視しながら、具体的な目標に向かってコツコツ取り組むのが得意
- 手先が器用だったり、道具や作業を通じて人と関わるのが好き
- 対話だけでなく「行動」や「体験」を通して変化を促す支援がしたい
- 人の心に深く関心があり、悩みや不安に寄り添いたいという思いが強い
- 相手の話をじっくり聞いたり、丁寧に考えを整理するのが得意
- カウンセリングや発達支援など、対話を中心とした支援に興味がある
- 長期的なキャリア形成を視野に入れ、大学院進学などに意欲がある
どちらも人を支える意義ある職業であり、「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分らしく働けるか」が選択のポイントです。
まずは、自分の興味や得意なことから考え、将来の姿をイメージしてみましょう。
7. まとめ|違いを理解し、自分に合った進路を選ぼう
作業療法士と心理士は、どちらも人を支える専門職ですが、支援の方法や関わる対象、資格の取得ルート、働き方などに大きな違いがあります。
- 作業療法士は、病気やけが、障がいのある方が日常生活を取り戻すために寄り添う「生活の専門家」
- 心理士は、心の悩みや問題に向き合い、心理的な支援を行う「こころの専門家」
進路を考える時に意識したいのは、「どちらが人気か」ではなく、自分がどんな形で人の役に立ちたいかという点です。
最終的には、「自分はどんな環境だと力を発揮しやすいのか」をイメージしてみると、方向性がぐっと見えやすくなります。
それぞれの仕事の意義や学びの違いを理解した上で、興味や得意なこと、将来の姿などを重ね合わせながら考えてみてください。
専門職としての第一歩を、納得のいくかたちで踏み出せるよう、情報を知った上で、自分の「やりたい」という気持ちを大切に、納得できる進路を選んでください。
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